北海道民医連第24回技術系学術集談会に参加しました

2024年2月2日

 11月18日(土)に行われた、北海道民医連第24回技術系学術集談会にオンラインで参加しました。私は、菊水ひまわり薬局を代表し、

「睡眠随伴症状(夢遊症状等)を含む副作用調査~ゾルピデム、ゾピクロン、トリアゾラム、エスゾピクロン、レンボレキサント、スボレキサント~」について発表を

しました。

 睡眠随伴症状とは、睡眠中に起こる異常行動のことで本人はその行動を記憶していません。超短時間作用型睡眠薬や新たな睡眠導入剤

であるオレキシン受容体拮抗薬でこのような副作用の報告があり添付文書が改訂されました。そこで当薬局に来局した患者さんに睡眠随

伴症状を含む聞き取りを1か月間行い、薬歴を遡って調査しました。調査項目としては、各薬剤の服薬状況(用量)、併用薬、年齢、性

別、独居か否か、嗜好品(アルコール、たばこ、カフェイン)の摂取状況、中途覚醒の回数、睡眠随伴症状の有無、口渇やふらつき等の

副作用の有無、睡眠随伴症状についての認知度、過去の睡眠随伴症状の訴えがあった患者の副作用の経過があります。

 調査を進めていくと、男女や年齢による副作用のリスクに差はなく、各薬剤や併用薬による副作用のリスク差について判断することが

難しいと感じました。しかし、1か月間で睡眠随伴症状の症例を6件拾うことができ、副作用の早期発見のため服薬指導時における聞き

取りの重要性を実感できました。睡眠随伴症状を知らない患者さんが7割を超えており、認知度の向上に繋がったと思います。また調査し

ている中で過去に睡眠随伴症状が起きたことがあり、その後症状が起きていない人に対して、患者さんが薬の変更を望まない場合、薬剤

師としてその薬の中止や変更を勧めるべきか悩む症例がありました。

 集談会では発表後、「短期間のため有意差が出ていないようだが、今後もこの調査を続けるか。」という質問を受けました。睡眠随伴

症状については不明確な点が多いため今後も情報収集を行い、患者さんに情報提供することで副作用の早期発見と適切な薬物療法に生か

していきたいと考えています。また、その症状が睡眠随伴症状かを判断し、睡眠薬の適正使用を考えながら薬の中止や変更の提案を行なっ

ていくことが今後の薬剤師としての課題と感じています。

                          

菊水ひまわり薬局 (M.S)